救急搬送3回。彼女を救ったのは、薬ではなく祖母のひと言だった

動悸が止まらない。息が苦しい。めまいがする。
このまま倒れてしまうんじゃないか——。
そう思って救急車を呼んだことが、一度や二度ではないとしたら。
そして病院では毎回「異常なし」と言われるとしたら。
これは、実際に私のところへ来られた50代の女性のお話です。
「異常なし」なのに、苦しい
動悸の激しさに救急搬送されたのが、彼女がうちに来られたきっかけでした。
仕事も休んでいて、心療内科にも通い、お薬も飲んでいる。
それでも良くならず、救急搬送はすでに3回目。
「もうどうしたらいいのかわからない」
そう話す彼女の身体を実際に見せてもらうと、やはりというか、ものすごく緊張していました。
力を入れているつもりで、入っていない
腕に力を入れてもらい、私がそれを押さえる。よくある簡単なテストです。
本人は「耐えられる」と思っています。
でも、過緊張の状態にある方は、押さえるとヘナヘナと崩れてしまうんです。
これ、力が弱いわけじゃないんです。
すでに緊張しすぎていて、「これ以上力を入れる余地がない」状態なんですね。
ゴルフで例えると分かりやすいかもしれません。
バックスイングの時点ですでに力んでいたら、ボールは飛びません。
振り抜く前に、もう緊張しきっているからです。
彼女の身体も、まさにこの状態でした。
本当の原因は、身体の外にあった
過緊張をゆるめれば、症状は落ち着いていきます。でも、それだけで終わらせてはいけません。
なぜなら、緊張を生み出している「元栓」が別にあるからです。
話を聞いていくと、職場で上司と意見が対立し、その後冷遇されるようになったとのこと。
「納得できない」気持ちを抱えたまま、身体は少しずつ悲鳴をあげていきました。
息苦しさ、動悸、何もする気になれない日々、めまい、頭痛。
そして3回目の救急搬送。
「〜しなければいけない」という思考のクセ
思考のクセについてお話をした時、私は彼女にひとつ問いかけをしました。
「その『〜しなければいけない』って、本当にそうですか?」
「誰が決めたルールなんでしょうね?」
答えを急いで出そうとせず、ただその問いを自分の中に置いてもらう。
そうやって自分に問いかけていくうちに、彼女はふと、ある記憶にたどり着きました。
おばあちゃんのひと言
おばあちゃんがよく言っていた、広島弁のひと言です。
「ごういりんさんな」
自分を責めんさんな。
慌て、焦りんさんな。
いい加減くらいがちょうどええ。
そんなに気張らんでもええんよ。
相手は変わらんけぇ。
そんな意味が、この一言にはたくさん詰まっている気がする、と彼女は言いました。
これは、答えを外から与えられたわけじゃありません。
自分に問いかけたからこそ、自分の内側から出てきた言葉だったんです。
おばあちゃんの顔と声を思い出した瞬間、少し目が覚めたような感覚があったそうです。
回復の鍵は、思考の中にあった
まだ完全に回復されたわけではありません。
でも、自分を縛っていた思い込みに気づき、それを少しずつ手放し始めている。
これは、大きな一歩だと思います。
身体の緊張をゆるめることは、もちろん大切です。
でも、その緊張を作り出しているのが「〜しなければいけない」という思考のクセだとしたら、そこに気づかない限り、症状はまた戻ってきてしまいます。
もし今、あなたも「頑張らなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」に縛られて、身体が悲鳴をあげているとしたら。
少し立ち止まって、自分の思考のクセに目を向けてみてください。
📩 思考のクセと自律神経の関係、もっと詳しく知りたい方は、「思考×身体の回復メソッド」ページをご覧ください。

