自律神経が乱れると、どうなるの? 身体の中で起きていること

「自律神経が乱れると、どうなるんですか?」
施術の中で、こんな質問をいただくことがよくあります。
でも私は、この質問に答える前に、もうひとつ先の話をするようにしています。
「乱れる前に、身体の中では何が起きているのか」
そこから話さないと、症状の話だけになってしまって、「結局どうすればいいの?」という部分が見えてこないからです。
まず、「乱れる」って、どういう状態?
自律神経は、心臓を動かしたり、消化を助けたり、体温を調節したりと、あなたが意識しなくても身体を動かし続けてくれているシステムです。
でもこの自律神経、完璧な状態を維持し続けるほど強くはありません。
生きていれば、さまざまなストレスがあります。職場のこと、家族のこと、先が見えない不安……そういったものに長くさらされていると、身体は少しずつ「緊張したまま」になっていきます。
特に背中側——頭部、首、肩、背中、腰——この部分の筋肉が、じわじわと、でも確実に硬くなっていくのです。
この「身体の過緊張」こそが、自律神経を乱す本当の原因です。
乱れているのは結果であって、その前に「緊張が解けなくなっている」という状態があります。
緊張がゆるまなくなると、身体はどうなる?
緊張が続くと、体液(血液やリンパ液)の流れが滞ります。
水の流れる川を想像してみてください。川岸の土が固く締まっていると、水はうまく流れません。身体も同じで、筋肉が硬くなると、栄養が全身に届きにくくなり、老廃物もうまく流れ出なくなります。
やがてそれが、さまざまな「不調」として表面に出てきます。
「アクセルを踏みっぱなし」の状態
自律神経には、アクセルにあたる交感神経と、ブレーキにあたる副交感神経があります(詳しくはこちらの記事もどうぞ)。

バランスが崩れると、交感神経ばかりが優位になります。
ブレーキを踏みながら、アクセルも踏み続けているような状態。
車だってそんな走り方をしていたら、エンジンがおかしくなりますよね。
身体でも、同じことが起きます。
- 頭痛・めまい
- 眠れない、眠りが浅い
- 不安感・気持ちが落ち着かない
- やる気が出ない、疲れが抜けない
- 胃腸の不調(便秘・下痢)
こういった症状が、バラバラにではなく、同時にいくつも出てくるのが特徴です。
特に内臓は、副交感神経が優位なとき(ゆったりしているとき)によく働きます。だから交感神経優位が続くと、まず腸の動きが鈍くなり、便秘や下痢が起きやすくなります。睡眠の質が下がるのも、同じ理由です。
薬では「火」は消えない
病院で処方される薬は、症状をおさえるのに役立ちます。
でも、身体の緊張というそもそもの「火」が燃え続けているうちは、煙を払っても、また出てきます。
「薬を飲めば治る」と思い込んでいた方が、施術を通じて身体がゆるんでいくと、多くの方がこう言われます。
「えっ、薬なしでこんなに楽になるの?」
そうなんです。身体がゆるむだけで、積み重なっていた不調は、少しずつ落ち着いていくのです。
ゆるんでいくと、何が変わる?
不思議なことに、「脱力できる」という感覚を身体が覚え始めると、複数あった症状が同時に消えていきます。
・眠れるようになる
・お腹の調子が整う
・頭が軽くなる
・気持ちが少し安定してくる
お客様はとても驚かれます。
「薬じゃなくて、緩むだけで?」
はい。それだけで、です。
身体がゆるむことを実感すると、自然と「日頃の生活も変えてみようかな」という気持ちが生まれてきます。ストレスと上手に距離を取る。緊張しない時間を意識的に作る。そういった変化が、少しずつ育っていくのです。
まとめ
自律神経が乱れると、頭痛・不眠・胃腸の不調・めまい・不安感など、さまざまな症状が同時に現れます。
でもそれは「乱れ」が原因ではなく、身体の過緊張という「根っこ」があるから。
根っこにアプローチして、身体がゆるんでいけば、不調は自然と落ち着いていきます。
表面の症状だけを追いかけるのではなく、「なぜ身体が緊張しているのか」に目を向けることが、本当の回復への第一歩だと、私は思っています。
次回は「自律神経が乱れる習慣リスト(原因)」について、お話しします。
あなたの日常にも、知らずに緊張を積み重ねているクセが隠れているかもしれません。
