「休んだら終わる」——その思い込み、本当ですか?

「休んだら終わる」ーーそれは本当ですか?

長年、個人事業主として店舗を切り盛りしてこられた50代の男性が、当院にいらっしゃいました。

一番の悩みは、頭の圧迫感。
加えて、首や肩のこり、腕が上がらない、背中がつる、坐骨神経痛……。

病院、接骨院、はり、いろいろなところに通われても、少しずつは変化するけれど、なかなか進まない。

そんな状態が長く続いていたそうです。

何度も施術を重ねる中で、他の症状はかなり改善しました。
でも、正直にお伝えすると、一番つらい頭の圧迫感は、まだ残ったままです。

それでも今、彼の中では大きな変化が起きています。

症状が治っていないのに、なぜ変化と言えるのか。

今日はその話をさせてください。

「できない理由」ばかり浮かぶのはなぜか

彼はご自身で、「これは思考の問題かもしれない」と気づかれ、思考×身体の回復メソッドを始められました。

やってもらったことは、ただ一つ。自分に問いかけること。
答えをすぐに出さず、問いかけたら、いったん放っておく。それだけです。

地道すぎて、正直しんどい作業です。

焦る気持ちも当然あったと思います。
それでも、彼は信じて続けてくれました。

初めの頃、彼はお店の営業スタイルを変えるつもりは一切ないと、はっきり言っていました。

・休んだら売上が下がる
・休んだらお客様が逃げる
・休んだら家族を養えない

そう固く信じていたのです。

これは、彼だけの話ではありません。
人は「できる・できないか」で物事を判断しようとすると、頭は自然と「できない理由」を探し始めます。
守るための、ごく自然な反応です。

「できる・できない」から「やる・やらない」へ

判断の軸を、「できる・できない」から「やる・やらない」に変えてもらいました。

すると、彼の中で何かが動き始めました。「休んだら売上が減る」——
その思い込みは、本当にそうなのか。突き詰めて考え始めたのです。

思考は、動き出すと止まりません。
想像の中で不安はありながらも、これまで出てこなかったアイデアが、次々と浮かんできたそうです。

そして昨日、彼はこう話してくれました。

「色々と、思い込みがあったことに気づいた」と。

家族に本音を話した日

彼はこれまで、大黒柱として言えなかった本音を、ご家族に打ち明けました。
奥様も、お子さんも、彼がここまで追い詰められていたことに気づいていなかったそうです。

彼は自分の働き方を、野球の犠牲バントに例えてくれました。
自分がずっとバントを打ち続ければ、家族が進塁し、得点し、笑ってくれる。
だから自分は楽しみも、休みも我慢して、土日も働き続ける。

それが自分の役割であり、美学だと。

その考え方は、決して間違っていません。
むしろ、尊いものだと思います。

でも、その美学を貫こうとした結果、身体が限界を迎えていました。
だからこそ彼は、家族に本音を話すという、ずっと避けてきた選択をしたのです。

結果、ご家族は「協力する」と答えてくれました。

今、一番売上が見込める土日を、あえて休むという案まで、家族で考え始めているそうです。
まだ案の段階で、実行はしていません。
それでも、初めの頃は案を出すことすら受け付けなかった彼が、ここまで来ています。

症状が治っていなくても、道は開ける

正直にお伝えすると、頭の圧迫感は、まだ改善していません。

ここで「症状も消えました」と書ければ、きれいな話になったと思います。

でも、そうではありません。

それでも彼は、「今の働き方を続ける限り、この先の進展はない」と、ご自身で答えを出されました。
日曜日を休むという決断には、相当な覚悟が必要です。
それでも、動き始めているのです。

症状がすぐに消えなくても、人は変わり始めることができます。
むしろ、思い込みに気づき、行動が変わり始めたときこそ、身体の変化はゆっくりとついてくるものだと、私は現場で感じています。

苦しい道の先に、光は差してくる。

私はそう信じています。


もっと深く知りたい方へ

「思考のクセ」が身体にどう影響しているのか、ご自身の不調のヒントになるかもしれません。

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