涙が止まらなかった夜、彼の胃はやっと緩み始めた

「検査では異常なし」と言われたのに、胃の調子がずっと悪い。食欲がないわけではないのに、食べるとすぐ気持ち悪くなる。
そんなお悩みで来られた方がいます。今日はその方のお話です。
痩せているのに、実はよく食べる方でした
30代の男性で、身長は高く、見た目はスラッとした印象。失礼ながら、あまり食べる方には見えませんでした。
ところが本人いわく、実はかなりの量を食べるタイプなのだそうです。それなのに、食べるとすぐに吐き気のような、気持ち悪さのようなものが出てきてしまう。胃腸の調子がずっと良くない。
病院で検査をしても「異常なし」。それで、うちのホームページを見て来てくださったのがきっかけでした。
触れてすぐにわかった、背中の緊張
こういう不調の出方をされる方は、身体がとても緊張していることが多いです。実際に触れてみると、背中側がかなり強張っていました。ご本人はまったく気づいていない様子でした。
ここを緩めれば、何かしら良い方向に動くだろうという感覚はありました。ただ、それよりも大事なのは「なぜ、これほど緊張したのか」ということです。
「我慢していること、たくさんあるんじゃないですか」
お仕事やプライベートのことを伺いました。彼は30代にして、来客数も従業員数も多い、大きなお店の店長を任されていました。
最初は「仕事は順調です」「店長なので好きにやらせてもらっています」と話してくれました。見た目もクールで、淡々と仕事をこなし、成果を出すタイプだからこそ抜擢されたのだろうと、私自身のサラリーマン経験からも推察できました。
けれど、店長です。どれだけ涼しい顔でこなしていても、その裏側は我慢と緊張の連続ではないか。そう感じて、こう尋ねてみました。
「我慢していること、たくさんあるんじゃないですか」 「あれだけの規模のお店を一人で抱えるの、相当大変でしょう」
すると彼は、少し涙を浮かべながら口を開いてくれました。売上、従業員やお客様とのやり取り、上層部との関係。毎日、相当なプレッシャーの中で戦っていたのです。
帰り道、涙が止まらなかった
2回目に来られたとき、彼が教えてくれました。
1回目の施術のあと、帰り道で「自分はメンタルが弱いんだ」とふと感じたそうです。そして涙がポロポロと、とめどなく溢れてきた。家に帰ってから一人で散歩してみても、また涙が出てきて、人目を気にしながら歩いたと言います。
それから2日ほど経った頃、身体がとても軽く感じられるようになったそうです。「力が抜けた」という感覚が、はっきりわかったと。
彼は店長としての重責、そしてこれから家族を支えていかなければという先々の不安を、誰にも話すことなく一人で抱えてきていました。無口な方だからこそ、余計にそうだったのだと思います。
荷物を、少しだけ下ろしてほしい
胃の不調も、背中の緊張も、涙も、すべてつながっています。思い込みや我慢が積み重なって身体が緊張し続け、その結果として胃腸にも不調が出る。自律神経の乱れは、その結果であって、原因ではありません。
彼にはこう伝えました。
「これもご縁です。せっかく出会えたのですから、今まで背負っていたものを、ひとまずここで下ろして休憩してください。心の瓶にしまっていた我慢や不満も、ここで吐き出してください。今まで店を支えてきた武勇伝も、ぜひ聞かせてください」
もし今、原因のわからない身体の不調を抱えていて、「自分は我慢強いほうだ」と思い当たる方がいたら。それは、身体があなたに送っているサインかもしれません。
休憩を終えて、また歩き出す彼をこれからも応援していきたいと思います。
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