健康情報に、疲れていませんか──「あれもダメ、これもダメ」が、いちばん体に悪い理由

「8時間睡眠はよくない」「これは体に悪い」。 良かれと思って集めた“正しさ”が、いつのまにかあなたを縛っていませんか。 広島・呉の整体院「心整体いきいき堂」から、体と思考の関係についてお話しします。
先日、こんな記事を見かけました。
「ベストな睡眠時間は8時間ではない」。 睡眠は短すぎても長すぎても死亡リスクが上がる。大事なのは時間より“質”だ──。専門家の方が、メラトニンや腸内環境のことまで丁寧に解説されていました。
なるほどな、と思います。 思いますが、私はこういう記事を読むと、別のことが気になるんです。
「ああ、今度は『8時間寝るのはよくない』っていう、新しい思い込みに縛られる人が出てくるな」と。
「正しい健康法」を集めるほど、しんどくなる
健康にいい情報は、世の中にあふれています。
あれを食べたらいけない、これは体を冷やす、この時間に寝ないとホルモンが乱れる、歩数が足りていない──。 真面目な方ほど、ひとつひとつ受け取って、「できていない自分」をそっと責めてしまう。
でも、考えてみてください。
良かれと思って集めた“正しさ”が、いつのまにか「〜しなければ」「〜してはいけない」のリストになっていく。 そのリストを守れない日があると、心がざわつく。眠る前に「今日もダメだった」と思う。
実はこれ、皮肉なことなんです。
さきほどの記事の中にも、こう書いてありました。 ストレスが続くと、夜になっても緊張のホルモン(コルチゾール)が下がらず、寝つきが悪くなり、眠りが浅くなる、と。
つまり── 「ちゃんと眠らなきゃ」と気を張ること自体が、眠りを浅くしている。
体は、あなたの思考をちゃんと聞いています。 「不安」を握りしめれば、体はその通りに緊張する。健康法を増やすほど不調が増える、というのは、決して大げさな話ではないんです。
長生きしているお客様が、教えてくれること
私は施術の場で、80代のお客様と触れあうことがよくあります。
長く、元気に過ごしていらっしゃる方には、ある共通点があります。 それは──わりと、自由なんです。
唐揚げも食べる。ラーメンもすする。特別なトレーニングをしているわけでもない。 「あれはダメ、これはダメ」と、自分を縛っていない。いたって普通に、ご機嫌に暮らしていらっしゃる。
もちろん、何をしてもいい、という話ではありません。 でも、「正しさ」でガチガチに自分を取り締まっている人より、自分の心地よさに正直な人のほうが、体がゆるんでいる。 副交感神経が働いて、よく眠り、よく笑う。それが結果的に、体を若く保っているように、私には見えます。
情報は、「ふーん」と読んで、受け流すくらいでちょうどいい。 全部を真に受けなくていいんです。ピンときたものだけ、ひとつ試す。あとは手放す。それでいい。
本当に怖いのは、死ではなくて
もう少しだけ、踏み込ませてください。
こうした健康情報に振り回されてしまう奥には、たいてい「死」への不安があります。 病気になりたくない。衰えたくない。長く生きたい。
その気持ちは、私にもよくわかります。私だって、死ぬのは怖い。 でも、ここははっきり言わせてください。
死は、避けられません。 早いか、遅いかの違いがあるだけ。人生のゴールは、誰にとっても同じ場所です。
避けられないものを、握りしめて怖がり続けると、何が起きるか。 「死にたくない」はずなのに、不安で動けなくなって、生きる時間そのものが小さくなっていく。
以前、ある若い人が「死にたい」とこぼしていました。 ところがその同じ口で、ニュースを見ては「クマが街に出てきて怖いから、外に出たくない」「働きたくない」と言う。
矛盾しているようですが、私はここに、大事なことが隠れていると思うんです。
その人は、本当に死にたいわけじゃない。 ただ、怖さに支配されて、エネルギーが外に向けられなくなっている。怖いのは、クマでも、世間でもない。心の使い方が、怖いほうへ怖いほうへと回ってしまっているだけなんです。
これは若い人だけの話ではありません。 「あれもダメ、これもダメ」と自分を縛るのも、根は同じ。怖さがハンドルを握ってしまっている状態です。
まずは、自分を生きてみる
だからこそ、私はこうお伝えしたい。
誰かのせい、世間のせい、情報のせいにする前に── まずは、自分の人生を、自分で生きてみませんか。
「8時間がいい」も「8時間はよくない」も、どちらも他人の言葉です。 あなたの体が本当に求めているリズム、心地よさは、あなたにしかわかりません。
正しさを増やすより、ひとつ手放す。 「〜しなければ」を、「まあ、いいか」に変えてみる。
その肩の力が抜けた瞬間に、コルチゾールが下がり、呼吸が深くなり、体はちゃんとゆるみはじめます。
体は、いつもあなたの思考を聞いているのですから。
呉市の「心整体いきいき堂」では、体の緊張をゆるめながら、不調の奥にある“思考のクセ”にも一緒に目を向けていきます。「がんばっているのに、なんだか調子が戻らない」という方は、どうぞ気楽にお越しください。
