「こうしなければ」が、体をこわしていた──義務感の思考と自律神経の深い関係

施術に来られる方の話をじっくり聞いていると、ある共通点に気づきます。
「ちゃんとしなければ」 「迷惑をかけてはいけない」 「もっとがんばらなければ」
不調が続いている方の多くが、こういった言葉を日常的に自分に言い聞かせています。
まじめで、責任感が強くて、人のことをよく考える方。
そういう方ほど、体に不調が出やすい。
これは偶然ではありません。
「こうしなければ」は、脳へのストレス信号
「こうしなければならない」「〜してはいけない」という思考が続くとき、脳の中では何が起きているのでしょうか。
脳はこの思考を「脅威がある」と判断します。
すると脳は、コルチゾールやノルアドレナリンというホルモンを分泌します。これらは「戦うか逃げるか」という緊急事態に対応するためのホルモンです。
本来は、危険な場面で一時的に出るものです。
でも「こうしなければ」という思考が毎日続くと、脳は慢性的にこのホルモンを出し続けることになります。
体は、見えない緊張状態の中に置かれ続けます。
じわじわと、体に積み重なっていく
コルチゾールが慢性的に分泌されると、体にはさまざまな影響が出てきます。
筋肉はこわばり、血管は緊張し、内臓の動きは鈍くなります。免疫のバランスも乱れてきます。自律神経は休む間もなく働き続け、やがて消耗していきます。
頭痛、肩こり、眠れない、疲れがとれない、胃の不調、気力がわかない……。
「原因がわからない」と言われる不調の多くが、この慢性的な緊張状態と関係していることがあります。
特別なできごとがあったわけではない。でもずっとしんどい。
それは、毎日の「こうしなければ」が積み重なった結果かもしれません。
「〜したい」に変わると、脳は休みはじめる
では、どうすればいいのか。
「こうしなければ」という義務感の思考が、「〜したい」「〜できたらいいな」という本音の思考に変わっていくと、脳のホルモン分泌が変化します。
脳からドーパミン、セロトニン、オキシトシンといったホルモンが放出されはじめます。
これらは、痛みや緊張にブレーキをかけ、体をリラックスへと導くホルモンです。
同じ行動をしていても、「しなければ」でやるのか「したい」でやるのかで、脳と体への影響はまったく異なります。
無理にポジティブにならなくていい
ここで一つ、大切なことをお伝えしたいと思います。
「じゃあ、ポジティブに考えればいいんですね」
そう受け取ってほしくないのです。
無理に「ポジティブ」を装うのも、脳にとっては別の種類のストレスになります。
大切なのは、「こうしなければ」という思考に気づくことです。
「あ、また義務感で動いているな」
その一瞬の気づきが、脳の緊張をわずかに緩めます。気づきが積み重なるうちに、少しずつ「本当はどうしたいか」が見えてくるようになります。
変化は、気づきからはじまります。
まず、一日一回だけ
今日から一つだけ試してみてください。
「こうしなければ」と思った瞬間に、こう自分に聞いてみる。
「本当は、どうしたい?」
答えが出なくてもいい。「わからない」でもいい。
その問いを向けるだけで、脳は少し違う動きをはじめます。
まじめにがんばってきた体ほど、この小さな問いかけに、静かに応えてくれます。
体の不調が続いている方、「思考のクセ」と体の関係についてもっと知りたい方は、LINEからお気軽にご相談ください。
