歯を食いしばって、生きていませんか

長く整体をしていると、こんな方に出会います。

肩こり、首の痛み、背中の張り。あちこちの病院や治療院に通っても、検査では「異常なし」。それでも、不調だけはずっと消えない——。

施術でほぐすと、その場では楽になる。でも、しばらくするとまた戻ってくる。「年のせいかな」「もう体質だから」と、半ばあきらめている。そんな方が、たくさんいらっしゃいます。

でも、私はこう見ています。

その不調の根本原因は、身体そのものではなく、長年の「思考のクセ」にあるのではないか、と。

身体は、言葉どおりのことをします

日本語に、こんな言い方があります。

「歯を食いしばって、我慢する」

これは、ただの比喩ではありません。

我慢を重ねてきた方の身体に触れると、本当に、奥歯にぐっと力が入っている。顎がこわばり、首や肩が石のように固まっている。眠っている間も、無意識に食いしばっている。

つまり身体は、「我慢する」という言葉どおりのことを、何年も、何十年も、文字どおりやり続けてきたのです。

不調は、ある日とつぜん現れたわけではありません。飲み込んできた感情が、行き場をなくして、身体に居場所を見つけた。その積み重ねが、今のかたちになっているのです。

なぜ、ほぐしても戻ってしまうのか

ここが、大事なところです。

表面の筋肉をゆるめても、その緊張を生み出している「指令」が変わらなければ、身体はまた同じように固まっていきます。

では、その指令を出しているのは、どこか。

——脳です。

私たちが、ものごとをどう受け取り、どう考えるか。その「脳の使い方」が、全身に指令を送っています。「危険だ」「気を抜くな」「ちゃんとしなきゃ」——そう考え続けている限り、身体は緊張モードから抜け出せません。

だから、いくら身体をほぐしても、考え方が同じままなら、不調はまた再生産されてしまうのです。

「我慢してきた怒り」は、消えずに残る

特に、真面目な方ほど、感情を飲み込んでこられています。

理不尽なことがあっても、「ここは我慢するしかない」。腹が立っても、顔には出さない。そうやって、コツコツと真面目に生きてきた。それは、立派なことです。

でも——飲み込んだ怒りは、消えてなくなったわけではありません。

行き場をなくした感情は、身体のどこかに、そっと隠れて居続けます。顎に。肩に。首に。背中に。そして自律神経は、戦うか逃げるかの緊張モードに入りっぱなしになり、休むこと、ゆるむことを忘れていきます。

「自分は怒っていない」と思っている方ほど、実は、たくさん我慢してこられた。そういうことが、よくあるのです。

では、どうすればいいのか

ここで、ひとつ、お願いがあります。

その怒りを「なくそう」「コントロールしよう」と、力まないでください。

感情は、敵ではありません。あなたを守るために、湧き上がってきたものです。だから、消そうとする必要はないのです。

やることは、たったひとつ。

「気づく」こと。そして、自分に「問いかける」こと。

たとえば、誰かに「ムッ」とした瞬間。まずは、こう認めてあげてください。

「あ、今、ちょっと怒ったな」

それだけで十分です。そのうえで、もし余裕があれば、心の中でそっと問いかけてみる。

「これ、いつから感じるようになったんだろう?」

答えは、出さなくていいんです。問いかけるだけ。

不思議なもので、人は問いかけると、脳がその答えに向かって、少しずつ動き始めます。責めるのではなく、ただ静かに見つめる。それだけで、長年握りしめてきた力が、ほんの少しずつ、ゆるんでいきます。

あなたの不調も、あなたからのサインかもしれません

長くとれない不調は、あなたを困らせる「敵」ではありません。

「そろそろ、自分を大切にしてもいいんじゃない?」——本当のあなたからの、静かなサインなのかもしれません。

歯を食いしばって、がんばってこられた。もう、十分です。

その力を、少しずつ、ゆるめていきませんか。


心整体 いきいき堂では、身体の不調の根本にある「思考のクセ」に、ご自身で気づいていただくためのお手伝いをしています。「これって、私のことかも」と感じた方は、LINEからお気軽にご相談ください。

▶ ご相談はこちら

よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次