検査では「異常なし」。それでも体が「もう無理」と叫んでいた理由

朝、目が覚めた瞬間から体が重い。それでも「私がやらなきゃ」と起き上がり、エナジードリンクで踏ん張って職場へ向かう——。もしこの感覚に心当たりがあるなら、この話は他人事ではないかもしれません。

「気合いが足りない」と言われ続けた、ある女性の話

先日、お客様ではないのですが、ある女性と話す機会がありました。私が「不調の根本原因は思考のクセにある」という整体をしていると知って、当時のことを聞かせてくれたのです。

その方が以前勤めていた職場は、かなり過酷だったそうです。朝8時半に出勤し、夜22時まで接客。人手は明らかに足りないのに、残業代はつかない。それどころか「残業するやつは無能だ」という空気で、サービス残業が当たり前。休憩は狭い場所に立ったまま。空調の効かない暑い売り場で接客し、忙しい時はトイレに行くことすら控えるよう言われていたといいます。

当然、人はどんどん辞めていきます。残った人は「私がなんとかしなきゃ」と自分を責めながら踏ん張る。朝・昼・夕とエナジードリンクを流し込み、出勤する日はもう何も手につかない。やがて「死にたい」とまで思うようになっていたそうです。

検査では「異常なし」。でも体は正直だった

それでも、夜は眠れて、ご飯も食べられる。だから「気のせいかもしれない」と思ってしまう。でも、何かがおかしい。意を決して内科を受診すると、返ってきた言葉は——「特に異常はありません。ちょっと疲れているんでしょうね」。

検査では異常が出ない。すると職場では「やっぱり病気じゃない。気合いが足りないだけだ」という空気に包まれていく。心も体も警報を鳴らし続けているのに、本人まで「根性で乗り切らなきゃ」と思い込んでいく。これが、いちばん怖いところです。

警報を鳴らしていたのは、体ではなく「思考のクセ」

私が現場で多くの体に触れてきて感じるのは、こうした不調の出発点は、体そのものではなく〈思考のクセ〉だということです。

この方の場合、それは「私がなんとかしなきゃ」という思い込みでした。この一念が否定的な感情を生み、体を過剰に緊張させ続ける。緊張がゆるむ暇のない状態が続くと、自律神経が乱れ、不調として表に出てきます。検査で映らないのは、臓器が壊れているのではなく、体が「緊張しっぱなし」だからです。

たとえるなら、アクセルとブレーキを同時に踏み込んでいる状態です。「頑張らなきゃ」と全力でアクセルを踏みながら、体は「もう休ませて」とブレーキを踏んでいる。エナジードリンクは、ブレーキを踏んだままアクセルを踏み増す行為そのもの。これでは、消耗するのが当たり前なのです。

こわれてからでは遅い。だから私は発信を続ける

その女性は、こうも言いました。「あの頃、こんな整体があったら通っていたと思う。でも、当時は文字を読むことすらできなかったから、こういうお店の存在を知ることもできなかったと思う」と。

これは、私にとって重い宿題です。本当に苦しい人ほど、私のような存在が目に入らない。情報を探す力さえ残っていないからです。

だからこそ、伝えたいことがあります。こわれてからではなく、こわれる前に来てほしい。そして、もし今これを読んでいるあなたの周りに、「気合いで頑張りすぎている人」がいたら、どうかこの視点を渡してあげてください。本人が動けないときは、家族や友人の一言が、最初のブレーキを外すきっかけになります。

不調は、あなたの根性が足りないから起きているのではありません。体が、あなたを守ろうとして鳴らしている警報です。その音に、気づいてあげてください。

気になることがあれば、LINEからお気軽にどうぞ。


最後に、ひとつだけ。

もし今、あなた自身がこの女性と同じ状態にいるなら——「死にたい」とまで思うほど追い込まれているなら、どうか一人で抱えないでください。私のところに来る前に、まずは専門の相談窓口や医療機関を頼ってほしい。あなたを守るのは、根性ではありません。

よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次