引きこもりから一歩踏み出した若者が、また来なくなった理由

これまで、うつ病になった若者を何人か見てきました。
中には、社会に出ることなく、引きこもっている人もいます。
私は、そういった若者に「外に出るきっかけ」を作れないかと考え、
ご縁のあったお寺の副住職のご厚意で、墓苑清掃の仕事をお願いしてきました。
もちろん、本人の意思を大切にしています。
強制ではありません。
つい先日まで、2人の若者を受け入れていただいていました。
最初は、とてもよく頑張ります。
環境が変わることで、新鮮さもあり、前向きに取り組んでくれます。
しかし、時間が経つにつれて変化が起きます。
・人との関わりが増える
・仕事でうまくいかないことが出てくる
・雇い主との会話が増える
少しずつ、“社会の現実”が立ち上がってくるのです。
そしてある日、来なくなります。
何も告げずに、静かにフェイドアウトしてしまう。
正直に言うと、私は寂しさを感じます。
せっかく一歩を踏み出したのに、と。
そして同時に、こうも思うのです。
やはり、人は一人では生きていけない。
どこかで、誰かと関わりながら生きていくしかないのだと。
最近では、さまざまな名前がつくようになりました。
発達障害
ASD
統合失調症
社会全体も、それを理解しようとする流れになってきています。
それ自体は、とても大切なことだと思います。
ただ一方で、現実として存在するのが
「社会との接点」です。
どんな理由があっても、
・何も言わずに仕事を辞める
・連絡を絶ってしまう
こういった行動は、少しずつ社会的な信用を失ってしまう。
これは、とても残酷ですが、事実でもあります。
では、どうすればいいのか。
私は最近、こう感じています。
必要なのは、
「頑張らせること」ではなく、
「関わり続けられる状態を作ること」なのではないかと。
人との関わりが苦しい人にとって、
社会はときに強すぎる刺激になります。
だからこそ、
・少しずつ関わる
・無理をさせない
・逃げても戻ってこれる場所をつくる
そういった“余白のある関係”が必要なのではないでしょうか。
今回の2人も、もしかしたらまた戻ってくるかもしれません。
戻ってこれる場所があること。
それだけでも、意味があるのではないかと思っています。
人は、すぐには変われません。
でも、関わりが途切れなければ、
また歩き出すタイミングは必ず来る。
私はそう信じて、関わり続けていこうと思います。
