「自分に問いかける」だけで、体は変わりはじめる──脳のしくみから見た、思考と不調の関係

「先生、どうしたらいいですか?」

施術中に、こう聞かれることがあります。

そのたびに私は、少し間を置いてから、こうお返しします。

「あなたは、どうしたいですか?」

すると多くの方が、少し困った顔をされます。

「……考えたことなかったです」

その瞬間に、何かが動きはじめる感じがします。


「答えを探す」より「問いを立てる」ほうが、体に届く

私たちはずっと「正しい答えを出すこと」を求められてきました。

学校でも、家庭でも、仕事でも。

でも、心と体のことに関しては、外から正しい答えをもらっても、なかなか根づきません。

なぜか。

それは、体が変わるのは「気づき」がきっかけであって、「情報」がきっかけではないからです。

「〇〇がいい」という知識をいくら集めても、自分の内側から「あ、そういうことか」という感覚が生まれないと、体はなかなか動きません。

その「気づき」を引き出すのが、自分自身への問いかけです。


脳には「問いに反応する」機能がある

少し脳の話をさせてください。

脳の中にRAS(網様体賦活系)という機能があります。

難しい名前ですが、はたらきはシンプルです。

自分が注目したものを、意識的に拾い集めてくれる機能です。

たとえば、「赤い車が気になっている」と思っていると、急に街で赤い車が目につくようになる。あれはRASのはたらきです。車の数が増えたわけではなく、脳が「赤い車」にアンテナを立てた結果です。

これは、問いかけでも同じことが起きます。

「私はどうしたいのか」と自分に問いかけると、脳はその答えを見つけようとアンテナを立てます。日常のちょっとした場面や、誰かの言葉や、ふとした瞬間に、答えのかけらが届くようになります。

逆に言えば、問いかけをやめると、脳はアンテナをたたむ

自分のことを自分で考えることをやめると、体が必要としているものに気づけなくなっていきます。


「自分の答えを信じられない」ことが、不調の土台になる

施術をしていて感じることがあります。

長く不調が続いている方の多くは、「自分の感覚」を信じることが苦手になっています。

「これでいいのかな」「私の考えは間違っているかも」

そういった思考が習慣になると、脳は常に低いレベルの緊張状態を続けます。自律神経はなかなか休まらず、体はじわじわとこわれていきます。

頭痛、コリ、眠れない、疲れがとれない。

こうした症状の底に、「自分を信じられなくなっている状態」が関係していることは、少なくありません。


問いかけは「答えを出す」ためではない

ここで大切なことをお伝えしたいのですが、問いかけは「正しい答えを出す」ためではありません。

「私はどう感じているのか」 「本当はどうしたいのか」 「何が嫌だったのか」

こういった問いを、ゆっくり自分に向けるだけでいい。

答えが出なくてもいい。

問いを向けること自体が、脳に「自分を大切にしていい」というサインを送るからです。

そのくり返しが、少しずつ自分との信頼関係を回復させていきます。

そして、自分を信じられるようになってくると、体の緊張が少しずつほどけていきます。


実際の変化は、静かにやってくる

「劇的に変わった」という感覚より、こういった声のほうが多いです。

「気づいたら、あまり気にしなくなっていました」

「イヤなことがあっても、前より早く平静に戻れるようになりました」

「自分がどうしたいか、少しわかってきた気がします」

静かで地味な変化ですが、これが本物の回復のかたちだと思っています。

体は急には変わりません。でも、問いかけをくり返すうちに、確実に何かが動いていきます。


まず、今日この一問だけ

難しいことは何もありません。

今日、一つだけ自分に聞いてみてください。

「私は今、本当はどうしたいのか」

答えが出なくてもいい。「わからない」でもいい。

その問いを立てることが、変化のはじまりです。


体の不調が続いている方、思考と身体の関係についてもっと知りたい方は、LINEからお気軽にご相談ください。

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