「また同じところが痛む」——その不調、身体のせいではないかもしれません

病院に行っても、「異常はありません」と言われる。 整体やマッサージに通っても、しばらくするとまた同じところが痛む。 薬を飲めば一時的にラクになるけれど、根本的には変わらない気がする——。
40代、50代、60代と歳を重ねるなかで、こうした経験を重ねている方は本当に多いです。
「もう年だから仕方ない」 「体質だから付き合っていくしかない」
そう自分に言い聞かせて、半ばあきらめている方もおられるかもしれません。
でも、現場で施術を続けてきて、私たちはずっと感じてきました。 慢性的な不調の本当の原因は、身体そのものではなく、「思考のクセ」にあることがほとんどなのです。
身体は、いつもあなたの思考を聞いています
「身体は脳の命令で動いている」——これは医学的にも当たり前のことです。
でも、あまり知られていないのは、その「脳」が、あなた自身の思考にずっと反応し続けているということ。
たとえば、頭のなかで「私はダメだ」とつぶやく。 すると脳は、その言葉を“現実”として受け取ります。 そして身体に、それにふさわしい反応——肩を縮める、呼吸を浅くする、内臓の動きを鈍くする——を起こさせていく。
これが何年も、何十年も繰り返されたとき、身体には「不調」という形で静かに蓄積されていきます。
肩こり、頭痛、不眠、めまい、便秘、原因のわからない痛み。 病院で「異常なし」と言われる症状の多くが、実はここに関わっています。
身体は、サボっているわけでも、壊れているわけでもありません。 ただ、あなたの思考に、まっすぐに応えているだけなのです。
ある日の、施術室で
ある女性が、長年の肩こりで来られました。
何件もの整体や病院をまわっても変わらなかった、と。 身体に触れさせてもらうと、肩というより、胸のあたりがぎゅっと縮こまっていました。
「最近、ご自身に厳しい言葉をかけることが多くないですか」 そう尋ねてみると、ハッとしたお顔をされて—— 「気づいたら、一日中、自分にダメ出ししています」と。
施術中、その話をぽつぽつとうかがっているうちに、肩がふっと下がっていきました。 私は何か特別なことをしたわけではありません。 ただ、その方がご自身の思考のクセに気づかれた——それだけで、身体は応えはじめたのです。
こういう場面に、現場では何度も立ち会ってきました。
「治す」のではなく「気づく」とき、身体は変わりはじめる
私の師匠である西田聡先生は、こんなふうに言われていました。
治すなんて、おこがましい。 ご自分で気づいて、自分で力を取り戻していただく。
最初に聞いたとき、私は意味がよくわかりませんでした。 整体師なのだから、患者さんの不調を「治す」のが仕事ではないのか、と。
でも、現場に立ち続けるうちにわかってきたのです。 本当に変わる方は、施術で「治してもらおう」とする方ではなく、 「あ、私の思考が、身体にこういう反応をさせていたんだ」と気づかれた方だと。
気づきが起きた瞬間、身体は驚くほど早く変わりはじめます。 何年もとれなかった肩のこわばりが、ふっとゆるむ。 呼吸が深くなる。 眠れる夜が戻ってくる。
魔法でも何でもありません。 身体が、ようやく“本当の声”を聞き直しただけのことなのです。
いまできる、たったひとつのこと
もし、いま長く続く不調を抱えておられるなら—— すぐに何かを「変えよう」としなくて大丈夫です。
まずは、こう思ってみるだけでいいのです。
「もしかしたら、私の身体は、私の思考をずっと聞いていたのかもしれない」
ただ、そう一度思ってみる。 それだけで、心と身体のどこかが、すこしゆるみはじめます。
身体は、いつだってあなたの味方です。 責めるためではなく、知らせるために、不調という形で声をかけてくれている。
その声に、ほんの少しだけ耳を傾けてみる時間を、ご自身のためにつくっていただけたらと思います。
