朝起きられない中学生|怠けではなく“自律神経のSOS”だった

朝起きるのがしんどくて、学校に行くことができない。
行けたとしても部活から。
「行きたくない」わけではないのに、体がついてこない——。

そんな10代の男性とセッションを行いました。


■ 体は正直に“今”を語っている

彼は中学生で、これまで何度かうちに通ってくれています。
体がゆるむと朝起きられる日もあり、学校に朝から行ける日も出てきました。
それでもまだフルで登校するのは難しい状態です。

ただ、彼は文化系の部活が大好きで、お昼からでもなんとか学校へ行って練習しています。
病院では「異常なし」と言われていますが、朝がどうしてもつらい。
私が体を診たところ、自律神経のバランスが崩れているのは明らかでした。

多くの方は交感神経が優位で「寝れない・不安・頭痛・めまい・吐き気」といった症状が出ますが、
彼の場合はその逆。副交感神経が優位で、朝になっても交感神経に切り替わらないタイプです。


■ 体から始まる回復の一歩

彼は痩せ型で、線が細く、あまり運動をしていませんでした。
そこで施術に加えて、自重トレーニング(軽い筋トレ)をセルフケアとして勧めています。
インナーマッスルを活性化して、交感神経への切り替えを促す目的です。

私はまず「体」からアプローチする方法を取っています。
ですが、整体を5年半続ける中で、もうひとつ大切なことに気づきました。
それは「思考」です。
体をコントロールしているのは脳。
つまり、心は“脳の働き”そのものなのです。


■ 「我慢」が生み出す心の緊張

彼はとても優しく、物静かで、争いを好まない性格。
感情を表に出さないタイプだと感じていたので、あるとき尋ねてみました。

「いつも我慢していないかい?」

すると、彼は小さくうなずきました。
さらに話を深めると、腹が立つこと、イライラ、悲しみ、喜び――
あらゆる感情を我慢して、心の奥に押し込めていることがわかりました。

映画を見ても泣いたことがなく、声を出して笑ったこともない。
お父さんに「学校に行きなさい!」と叱られても、反抗しても仕方ないと諦めて抑え込む。
そんな日々を送っていました。


■ 「自分を信じられない」という思考がエネルギーを奪う

私は彼に尋ねました。
「自分のことを信じられるかい?」
「自分のことが好きかい?」

彼は即答で「信じられない」「好きではない」と言いました。
その瞬間、私は確信しました。
彼の不調の根源はここにある、と。

彼は無意識のうちに、常に「疑い」と「不安」を抱え続けていたのです。
この意識状態では、体のエネルギーはどんどん消耗していきます。
まるで新品のスマホなのに、異常に電池が減ってしまう状態です。


■ 希望を取り戻すために

今日のセッションはここまででしたが、ようやく彼の不調の原因が見えてきました。
これから対話を重ねながら、
「自分はいま“疑い”と“不安”の中にいる」ことに気づいてもらう。
そして、「どう生きたいのか」「自分の目的は何なのか」を一緒に探っていく。

その気づきが生まれたとき、彼の中に“生きる希望”が芽生える。
そんな日を信じて、私は全力でサポートを続けていきます。


🌱 まとめ

朝起きられないのは、怠けや甘えではありません。
それは、脳と体が守りモードに入っているサインです。
心と体はひとつ。
「我慢」や「不安」に気づいたとき、そこから回復が始まります。

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