登山でも埋められない不安。そこから見えた“生きる目的”の力

昨日のセッションで、改めて「生きる目的」という言葉の大切さを感じました。
60代の女性が、IT化の波についていけるか不安になり、長年勤めた仕事を休職せざるを得なくなったのです。復職を考えても「またついていけないかも」という不安に押しつぶされ、やがて心のダメージが身体の不調として現れるようになりました。頭痛や肩こり、眠れない日々…。
通いはじめの頃は目が泳ぎ、会話もおどおどした印象でした。でも、少しずつ身体が脱力できるようになり、笑顔が増え、また好きだった登山やジム通いも再開できるまでに。アルプスや富士山まで登られるようになったことを、楽しそうに語ってくれました。
しかし昨日のセッションでは、「また不安が戻ってきた」とおっしゃっていました。登山では気分が晴れるのに、日常に戻ると不安が押し寄せるというのです。
そんな時、私はこう問いかけました。
「生きる目的は何ですか?」
正解はありません。私自身もかつては答えられませんでした。けれど、この問いを何度も繰り返すうちに、自分なりの軸が見えてきた経験があります。
彼女も少し考え込んだあと、表情が和らいでいきました。帰ったあと何度も問いかけてみてほしい――そうお伝えしました。
レジャーや旅行では一時的に不安を忘れられても、日常に戻ればまた波がくることがあります。そのループを抜けるために、**「自分は何のために生きているのか」**という根っこの問いかけが、時に大きな力になるのです。