ひざの痛みは、心ががんばり続けてきた証かもしれません

「立ち上がるときに、ひざがズキッと痛むんです。」
今回来られたのは60代の女性。
これまで足首の痛み、股関節の違和感、胸がゾワゾワするような動悸、不安感など、さまざまな不調を経験されてきました。
遠くへ車で出かけることにも不安を感じておられます。
そして今回は、立ち上がるときのひざ痛。
検査をすると、ひざそのものだけの問題とは言いきれない状態でした。
むしろ身体全体に「再び強い緊張が戻っている」ことが目立っていました。
では、なぜ緊張は戻るのでしょうか。
この方はとても優しく、周囲に気を配れる人です。
その優しさゆえに、自分の感情を外に出さず、胸の奥にしまい込む癖があります。
さらに、ご家族の長年の引きこもりや、双子のお子さんの精神的な不安定さ。
日常の中に常に「心配」と「緊張」が存在する生活です。
感情を抑える。
不安を悟られないようにする。
家庭を守ろうと踏ん張る。
その見えない努力が、身体には「力み」として積み重なります。
そして出口を失った緊張は、
足首になり、股関節になり、胸の違和感になり、
そして今回、ひざの痛みとして現れてきたのだと私は見ています。
身体は正直です。
「もう一人で抱えすぎていますよ」
そう教えてくれているのかもしれません。
だから私は、
痛い場所だけを追いかけません。
まず身体全体をゆるめ、
力まなくても立てる状態を取り戻し、
そのうえで、少しずつ心の荷物が軽くなる方向へ一緒に整えていきます。
長年の緊張は、一度ゆるんでも戻ることがあります。
それは「悪化」ではなく、回復の途中経過です。
焦らず、少しずつ。
身体と心は、必ず変わっていきます。
