思考に気づいたとき、回復は次の段階へ進む

今日は、今年最後の営業日となるセッションでした。
その中で、とても印象に残ったのが 60代女性 との時間です。
彼女は、
突如として不安に襲われ、胸が苦しくなる
という症状を抱えていらっしゃいます。
以前は「突然起きる」「理由がわからない」という感覚が強かったそうですが、通院を重ねる中で、症状が出る“きっかけ”に気づけるようになってきました。
つまり、
「この出来事があると、症状が出やすい」
という因果関係が、少しずつ見えるようになってきたのです。
これは、とても大きな前進です。
原因がわかっても、症状が止まらない理由
ただし、問題はそこからでした。
要因となる出来事はわかる。
それでも、不安や胸苦しさを自分で止めることができない。
身体をゆるめる施術によって一時的に楽にはなるものの、
また同じような出来事が起こると、症状が繰り返されてしまう。
ここで私が感じたのは、
回復が「次の段階」に入っている ということでした。
次に向き合うべきは「思考」
この段階で大切になるのが、
出来事そのものではなく、出来事をどう受け取っているか
という視点です。
つまり、
その方自身の中にある
「思考のクセ」 に目を向ける必要があります。
同じ出来事でも、
・深く不安になる人
・ある程度で受け流せる人
がいるのはなぜか。
そこには、無意識の
思い込み・信じ込み・すり込み
が影響していることが多いのです。
子どもの問題と「信じる」というテーマ
今回の要因となっていた出来事は、
成人されたお子さんのこと でした。
これまでにも心配事が重なり、
「次から次へと課題が出てくる」
そんな感覚を抱えていらっしゃいました。
そこで、私はこんな問いを投げかけました。
「お子さんのことを、心から信じてあげられていますか?」
一瞬、きょとんとされた表情をされましたが、
しばらくすると
「思い当たる節がある」
と、静かにうなずかれました。
信じられないのではなく、
信じられなくなってしまう“思考の前提”があるのではないか。
その可能性に、初めて気づかれた瞬間でした。
変えられるのは「周り」ではなく「自分の思考」
今日は自律神経無痛療法の施術で来院されていたため、
深く掘り下げる時間は取れませんでした。
それでも、
「自分には思い込みがあるかもしれない」
と気づいてもらえたことは、大きな一歩だと思っています。
周囲の人や出来事を変えることは、ほとんど不可能です。
ですが、
自分の思考に気づき、手放すことは可能です。
思考の方向性が変われば、
身体の反応も、人生の感じ方も変わっていきます。
生きづらかった状態から、
少しずつ 生きやすい状態へ。
そのための一つの選択肢として、
もしお時間が許せば
「思考×身体の回復メソッド」 を検討していただければとお伝えしました。
