身体の不調から始まったご縁。心の奥に光が差した一日

昨日、50代の女性とセッションをしました。
少し遠くから何度も足を運んでくださっている方です。
初めは「身体の不調をなんとかしたい」という思いで来られていましたが、最近はこう言ってくださるのです。
「ここに来て話をするのが楽しいから来ている」
この言葉を聞けたとき、施術者として、そして一人の人として、とても幸せな気持ちになりました。
彼女は長く会社勤めをされてきました。人材派遣に登録しているので職場を変えることができますが、8月で勤め先を辞め、9月から何社か紹介を受けて試したそうです。けれど、どれも心からしっくり来ず、今は家で過ごしているとのこと。
以前はツーリングやアウトドアが大好きで、バイクも持っていたそうですが、今は全くやる気が出ず、バイクも手放してしまったそうです。
「このままではいけない」「働かなきゃ収入がない」「私に合う会社がない」「特技なんてない」——
自由な時間のはずが、焦りに変わりつつありました。
お話を聞くうちに、私が感じたのは“生きる目的”を見失っていること。
そこで、思い切って「生きる目的」について話してみました。
最初は「そんなこと考えたこともない」とおっしゃっていましたが、ゆっくりと自分の内側を探る時間を持ちました。
「得意なことはありますか?」と尋ねると、少し考えてから「洋裁なら…」と。
でもすぐに「そんなに技量はない」と言いかけたので、
「それは“思い込み”かもしれませんよ。いつからそう思うようになったんでしょう?」
と問いかけてみました。
すると、彼女の目に涙が浮かびました。
言葉にはならなかったけれど、何かがほどけたような表情。
帰り際には、来られた時よりも目の輝きが増していたのが印象的でした。
施術を通して身体を整えるだけでなく、心がほっとして、未来に小さな光が差し込むような時間を持てたこと。私にとっても学びの多い一日でした。