覚醒を「解除できる身体」をどう取り戻すのか ― 抑える回復から、戻らない回復へ ―

これまでの記事で、
・なぜ検査で異常がないのに不調が続くのか
・なぜ薬が処方されるのか
・なぜ薬だけでは戻りやすいのか
・薬が効きにくい人に共通する身体のサイン
についてお話ししてきました。
今回は、その続きとして、
では、どうすれば
覚醒した状態から抜け出せるのか
という回復の話をしたいと思います。
回復とは「抑え続けること」ではない
多くの方が、
回復を次のように捉えています。
・不安を感じないようにする
・考えないようにする
・症状が出ないようにする
これは間違いではありませんが、
とても疲れる回復でもあります。
なぜなら、
常に「抑える努力」が必要だからです。
本来の回復とは、
抑えなくても大丈夫な状態が増えていくこと
だと、私は考えています。
覚醒が続く本当の理由
身体や脳が覚醒し続けるのは、
性格の問題でも、気合の問題でもありません。
多くの場合、
・長く緊張し続けてきた
・責任を背負い続けてきた
・我慢が当たり前になっていた
その結果として、
「警戒を解く方法」を忘れてしまった
状態になっています。
だから必要なのは、
新しいことを頑張ることではなく、
「もう頑張らなくていい」という感覚を
身体に思い出してもらうこと
です。
覚醒を解除する回復の第一歩は「身体」
覚醒を解除する回復は、
思考から始まりません。
なぜなら、
覚醒している状態では
考え方を変える余裕がないからです。
だから私は、
まず身体から整えることを大切にしています。
・呼吸が自然に吐ける
・力が入っていることに気づける
・少し力を抜ける瞬間が生まれる
こうした小さな変化が、
脳にとっては大きな安心材料になります。
「脱力できた」という体感が回復を進める
多くの方は、
「力を抜いてください」と言われても
どうすればいいか分かりません。
それは、
緊張が長く続きすぎて
脱力の感覚を忘れているからです。
施術や身体への働きかけによって、
・「あ、今ゆるんだ」
・「こんなに力が入っていたんだ」
という体感が生まれると、
脳は初めて
「この状態でも大丈夫なんだ」
と学習します。
これが、
覚醒解除の大きな一歩です。
思考は「整えよう」としなくていい
身体が少し落ち着いてくると、
自然と起こる変化があります。
・考え続けなくなる時間が増える
・完璧にしなくても平気になる
・休むことへの罪悪感が薄れる
これは、
思考を無理に変えた結果ではありません。
身体が安心した結果、
思考が追いついてくる
という順番です。
薬の役割が自然に変わっていく
身体が覚醒を解除できる範囲が広がると、
薬の役割も変わってきます。
・飲まないと不安 → あってもなくても大丈夫
・切れると怖い → 切れても耐えられる
・手放せない → 依存しなくなる
これは、
無理にやめた結果ではありません。
身体が「もう大丈夫」と感じられる時間が
増えた結果です。
回復は「一気に起きるもの」ではない
覚醒解除は、
スイッチのように一瞬で起きるものではありません。
・少しゆるむ
・また戻る
・またゆるむ
この繰り返しの中で、
身体は少しずつ
「安全な状態」を思い出していきます。
それで十分です。
最後に
覚醒を解除する回復は、
新しいことを頑張る回復ではありません。
これまで頑張りすぎてきた身体に、
休み方を思い出してもらう回復です。
抑え続ける回復から、
戻らない回復へ。
その道筋として、
「身体から整える」という選択肢があることを、
知ってもらえたらと思います。
