慢性不調と「不安」がもたらす生きづらさ|まず“事実”に立ち返る

慢性的な不調(頭痛・めまい・倦怠感・パニックなど)に悩まれている方のお話を伺っていると、
病院の検査では原因がはっきりしないというケースが非常に多く見られます。

そこからさらに背景を丁寧にたどると、
症状と「心理面」が深く関係していることが浮かび上がってきます。

特に多い感情があります。
それは―― 「不安」 です。


■ 不安は悪い感情ではない

不安は、誰にでもある自然な感情です。
不安があるからこそ私たちは準備し、身を守ることができる。
いわば生存に必要な感情です。

しかし、その不安が過剰になると、
心や身体の負担が大きくなり、日常生活に支障を及ぼします。


■ 熊出没ニュースに見る「不安の拡大」

最近、各地で熊の出没が報道されています。
人命が失われる事件も起きています。

一方で、呉市では出没が多発している状況ではありません。
それでも、

「いつ出るかわからないから仕事に集中できない」
「敷地内に柿の木があり不安。仕事に行けない」

――こういった状態に陥ってしまう方もいるのです。

確率がゼロとは言いません。
しかし、現実には“まだ起きていない”ことです。


■ 不安=想像

起きていない先のことを心配する――
これが「不安」です。

不安が生まれること自体は問題ではありません。
問題なのは、

不安を膨らませ → 妄想を重ね → 現実のように捉えてしまう

という “枝葉を伸ばすクセ” がつくことです。


■ 禅が教えてくれること

禅の教えでは

不安を感じたら「不安だ」と認める
ただし、それ以上追いかけない

と言われます。
考えを膨らませることを「執着」といいます。
禅では

執着を手放す
ことを大切にします。


■ 不安の「クセ」に気づく

慢性的な不調を抱える方の一部は、
この「不安の拡大」が習慣化してしまっています。

・いつからこうなった?
・誰の影響?
・何を恐れている?
・本当に事実?

――こうした問いが必要です。

過剰な不安が続くと、
身体は常に緊張状態になり、
症状をさらに強めてしまうこともあります。

今一度、
「事実」と「想像」を切り分けること
が大切です。

よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次