「完璧じゃないと認めてもらえない」──その思い込みが、呼吸を浅くしていた

「10年、息苦しさとめまいを抱えて生きてきました」──40代女性のケース
病院では「異常なし」。
それでも息苦しさとめまいが続く日々。
吸入器の薬を手放せず、「なんとかごまかしながら」過ごしてきた10年。
けれど、症状は良くならない。
車の運転が怖くなり、
仕事も人間関係も負担が増えていく。
気づけば “何もかもがしんどい” 状態に追い込まれていました。
メンタルクリニックでは薬を処方されましたが、
心の奥にある不安は消えません。
「私は壊れてしまったのかな…」
そんな思いが、胸の奥を締めつけていました。
「完璧じゃないと認めてもらえない」
いきいき堂に来られてから、
彼女は少しずつ “自分の内側” に目を向けるようになりました。
対話の中で出てきたのは、
幼い頃から抱えていた思い込み。
「完璧じゃないと、認めてもらえない」
その思いが、彼女の心と体をずっと緊張させていました。
小さなミスも許せず、常に気を張り詰め、
「ちゃんとしなきゃ」「迷惑をかけちゃいけない」と息を詰めるように生きてきた。
それはまるで、
酸素より“努力”で生きようとするような状態でした。
気づいた瞬間、深呼吸が戻ってきた
セッションのある日、
彼女がその思い込みに気づいた瞬間、
ふっと深い呼吸が入ったのが印象的でした。
体がゆるみ、
「こんなに深く息ができたの、久しぶりです」と微笑んだその表情に、
10年分の重さが少しずつほどけていくのを感じました。
「治してもらうのではなく、自分で気づけば変われるんですね…」
その言葉は、
長いトンネルの出口に灯った小さな光のようでした。
思考と身体はつながっている
呼吸の浅さや息苦しさは、
単なる“肺や気管の問題”ではないことが多くあります。
完璧であろうとする思考は、
交感神経を過剰に働かせ、
筋肉を緊張させ、
結果として呼吸を浅くしてしまうのです。
つまり、「思考のクセ」が「体のクセ」を生んでいる。
思考×身体の回復メソッドでは、
この“つながり”を丁寧にほどきながら、
自律神経のバランスを整えていきます。
🌱 編集後記
息苦しさは、心が「もっと楽に生きて」と訴えるサインかもしれません。
あなたの呼吸は、いま深くできていますか?
体と心は、どちらか片方ではなく、両方を見つめることで初めて回復していきます。
