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なぜ薬だけでは「戻りやすい」のか― 抑える治療と、解除する回復の違い ―

薬を飲むと、
たしかに楽になります。

不安が和らいだり、
眠れるようになったり、
身体のこわばりが少し抜けたり。

それでも、しばらくすると
また元に戻ってしまう。

そんな経験をされている方は、
決して少なくありません。

今日は、

なぜ薬だけでは「戻りやすい」のか
その理由を、仕組みとして整理してみたいと思います。


「抑える」と「解除する」は、似ているようで違います

まず大切なのは、
薬がしていることを正しく理解することです。

抗不安薬や抗うつ薬は、

・不安を抑える
・緊張を下げる
・覚醒した脳を落ち着かせる

といった働きをします。

これは言い換えると、

今、出すぎている反応を抑えている
という状態です。

一方で、
私が臨床の中で向き合っているのは、

なぜ反応が出続けているのか
という部分です。

ここが、
「抑える」と「解除する」の決定的な違いです。


原因と結果がズレたままの状態

不調が続く背景には、

・常に考え続けてしまう
・責任感が強い
・我慢が当たり前
・休むことに罪悪感がある

といった
思考と生き方のクセが存在していることが多くあります。

その結果として、

・身体が常に緊張する
・呼吸が浅くなる
・脳が覚醒したままになる

という「状態」が生まれます。

薬が抑えているのは、
この結果として出ている症状です。

しかし、

・思考のクセ
・身体の使い方
・緊張が抜けない状態

が変わらなければ、
原因はそのまま残り続けます。

すると、

薬で一時的に楽になる

原因は残ったまま

薬が切れる

また同じ状態に戻る

という流れが起きやすくなります。


なぜ長期化や依存につながりやすいのか

この構造が続くと、
どうしても「次の選択」は限られてきます。

・量を増やす
・種類を変える
・やめるのが不安になる

これは意志の弱さではありません。

薬が悪いのでもありません。

単純に、

抑える手段しか持っていない状態
が続いているだけなのです。

身体が「安心しても大丈夫」と
判断できる材料が増えない限り、
脳は警戒を解きません。

だから、

・薬を減らすと不安になる
・やめると症状が戻る

ということが起こります。


「戻りやすい」のは、あなたのせいではありません

ここで、
はっきりお伝えしたいことがあります。

薬を飲んでいるのに戻ってしまうのは、
あなたが弱いからではありません。

むしろ、

・ここまで耐えてきた
・我慢し続けてきた
・責任を果たしてきた

その結果として、
身体と脳が「警戒を解けなくなった」
と考えた方が自然です。


回復とは「抑え続けること」ではない

回復とは、

不安や緊張を
抑え続けることではありません。

本来の回復とは、

・身体がゆるむ
・呼吸が自然に吐ける
・考えなくても大丈夫な時間が増える

そうした状態を、
身体と脳が思い出していくことです。

これは、
薬では教えられない領域です。


次の選択肢を持つということ

薬が必要な時期は、確かにあります。
安全を確保するために、
とても大切な選択です。

ただ、その先に

「抑える以外の選択肢」

を持てるかどうかで、
回復の質は大きく変わります。

身体を通して、
「もう力を入れなくていい」
という感覚を取り戻す。

それができたとき、
薬が担っていた役割は、
少しずつ手放せるようになります。


最後に

薬を飲んでいるのに苦しい。
よくなったはずなのに戻ってしまう。

それは、失敗ではありません。

まだ「解除」の段階に入っていないだけ
かもしれません。

次回は、

薬が効きにくい人に共通する身体サイン
について、
もう少し具体的にお話しする予定です。

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