うつ症状は、薬でどこまで改善するのか

― レクサプロ・メイラックスと「思考×身体の回復」という視点 ―
メンタルクリニックで
「うつ症状がありますね」
と言われたとき、多くの方が処方されるのが
レクサプロやメイラックスといったお薬です。
実際、これらの薬で
「楽になった」
「不安が軽くなった」
という声があるのも事実です。
では、
どれくらいの割合で改善するのか
なぜ効く人と効きにくい人がいるのか
そして
薬で改善しきれない場合、何が必要なのか
今日は、データと臨床の両方から整理してみたいと思います。
抗うつ薬の「改善率」という現実
大規模研究(STAR*D試験など)では、
・レクサプロなどの抗うつ薬で
症状が改善する人は約50〜60%
・症状がほぼ消える(寛解)人は約30〜40%
と報告されています。
つまり、
半分くらいの方には一定の効果がある
一方で、
半分くらいの方は「部分的な改善」か「変化が乏しい」
というのが現実です。
メイラックスは
うつそのものを治す薬ではなく、
不安・緊張・動悸・不眠などを和らげる
補助的な役割を担います。
初期のつらさを下げる点では有効ですが、
長期的な回復率を大きく引き上げるわけではありません。
なぜ「効く人」と「効きにくい人」が分かれるのか
臨床データと現場感覚を重ねると、
ここに一つの共通点が見えてきます。
それは、
うつ症状は「脳内物質の不足」だけで起きているわけではない
ということです。
多くの方は、
・考えすぎる
・自分を責め続ける
・先の不安が止まらない
・身体が常に緊張している
・休んでいても休めていない
こうした
思考のクセと
身体の過緊張を長期間抱えています。
薬は
セロトニンなどの神経伝達物質の働きを助け、
一時的に回復しやすい状態を作ってくれます。
しかし、
・考え方
・身体の緊張パターン
・生活リズム
が変わらなければ、
脳は再び「危険モード」に戻り、
症状がぶり返しやすくなります。
うつ症状とは「壊れた状態」ではない
私は、うつ症状を
「弱さ」
「心の病」
とは捉えていません。
むしろ、
長い間、頑張り続けてきた結果
身体と脳が“守りの姿勢”を解けなくなった状態
だと考えています。
・気を張り続ける
・我慢し続ける
・評価されることを優先する
こうした生き方が続くと、
身体は無意識に緊張し、
脳は「まだ安全ではない」と判断し続けます。
この状態では、
薬だけで完全に回復するのが難しいのも
自然なことなのです。
「思考×身体の回復メソッド」が目指していること
心整体 いきいき堂で行っている
『思考×身体の回復メソッド』は、
薬を否定するものではありません。
むしろ、
・薬で楽になった“その先”
・薬では届きにくい部分
を支えるためのアプローチです。
具体的には、
・過度に緊張した身体をゆるめる
・脱力できない状態を解除する
・思考のクセに気づき、修正する
・「頑張り続けなくても大丈夫」な感覚を取り戻す
こうした働きかけを通して、
脳が自然に回復モードへ戻れる状態を作っていきます。
薬で楽になった方にも、届いてほしい視点
薬で改善された方の中にも、
・どこかスッキリしない
・再発が不安
・薬をやめるのが怖い
という気持ちを抱えている方が少なくありません。
その不安は、
決して気のせいではありません。
回復には、
・脳内物質
・身体の状態
・思考の使い方
この三つが揃うことが大切です。
最後に
うつ症状は
「治すべき欠陥」ではなく、
これまでの生き方が身体に表れたサインです。
薬という選択肢も大切にしながら、
身体と考え方の両面から整えていく。
それが、
再発しにくい、持続的な回復につながると
私は考えています。
