先日のブログ記事の中に”7つの欲求”があると書いた。

おさらいしてみる。
- 生存欲(生きたい)
- 睡眠欲(眠りたい)
- 食欲(食べたい)
- 性欲(交わりたい)
- 怠惰欲(楽をしたい)
- 感楽欲(音やビジュアルなど感覚の快楽を味わいたい)
- 承認欲(認められたい)
以上が”7つの欲求”だ。
その中でいちばん厄介な欲求が”承認欲”だ。これについてベストセラー本である「嫌われる勇気【アドラーの教え】」に詳しく書かれていたことを記憶する。
ベストセラーになるくらい現代人である私たちにおいて最も切実なテーマではなかろうか。
子供の頃は「親に愛されたい」という素朴な欲求から始まる。成長すると「褒められたい」、「優等生でいたい」、「人気者になりたい」といった自意識に育つ。
大人になると「人に尊敬されるような仕事や地位になりたい」、「スキルを磨いてキャリアアップをしてすごいと言われたい」といった上昇欲や、「自分は他人より優れている」という優越感やプライドをとても気にする。それは逆に「自分はダメな人間だ」といった劣等感にもなる。
「周りは期待に応えてくれない人間ばかり」といって不満や物足りなさを感じるし、人間も世の中も「つまらない」、「なっとらん!」と憤慨したりする。要するに他人の小さなことが目について、不満を感じてしまうのだ。その他、人の目が気になってしまうことや、嫉妬心、比較して優劣や勝ち負けにこだわる心理など様々な悩みになる。これらの悩みを持っている方はとても多い。私もその一人だったと思う。
何度も言うが、それらの悩みの正体は”承認欲”(もっと自分を認めてほしい)である。
正体を”承認欲”だと理解しないと、つい反応して、人の目を気にして、嫉妬に駆られ、比べたり、競争したりして、舞い上がったり、落ち込んだりと、動揺しまくりの人生を繰り返すことになる。それをトリガーに引きこもりになってしまったり、自律神経失調症、パニック障害、起立性調節障害、うつ、不眠症などの要因にもなったりする。だからいちばん厄介と言った。
しかし、”7つの欲求”は人間の本能でありやめられない。”承認欲”が悩みの正体、原因だから無くしたらいいと思っても、本能の一つだから無くせない。
仏教の教えでは、この無くせない欲求を「ある」ものは「ある」と理解することだといっている。つまり、「私には承認欲があるのだ」と素直に受け入れてしまう。それまでの「心の渇きの正体」がわかるだけで、その不満状態から抜けてしまうのだ。
”承認欲”という反応の原因がわかれば、ずいぶん楽になる。あの人(家族、世の中の人・・・対象者は誰でも)に認められたところで、それが一体なんなんだ!とクールに考えられるようになる。
どうせ無くせないものなのだから、開き直って「ある」と認めて俯瞰して眺めてみると意外に冷静になれるということだ。これで悩みを消せて万々歳とはいかないかもしれないが、一つの方法として考えてみられてはどうだろうか。

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